2018年2月4日日曜日

「ゆうちょチェックカードセゾン」事実上の復活!?

JP BANK ゆうちょ銀行(東京都千代田区、東証1部上場)は、昨年1月から1年かけて実用化試験を重ねてきたブランドプリペイドカード『mijica(ミヂカ)』について、2月1日(木)からインターネットに限って全ての利用者が申し込めるようにし、事実上本格運用をスタートさせました。mijicaのシステムはクレディセゾン(東京都豊島区、東証1部上場)が開発しており、同社が2000年代前半の旧日本郵政公社時代に発行した『ゆうちょチェックカード《セゾン》』が形を変えて、10年ぶりに復活するとも言えます。

ブランドプリペイドカードは、事前にチャージした残高の範囲内で、クレジットカードと同様の使い方ができるカードとして、資金決済法(2009=平成21年法律59号)が施行された2010年以降、急速に普及してきました。しかし、クレディセゾンはその約10年前から、デビットカードやブランドプリペイドに近い性格を持った『第3のカード』を研究開発していました。それが、旧日本郵政公社時代の2003年(平成15年)に募集が始まった『ゆうちょチェックカード《セゾン》』でした。
ゆうちょチェックカード《セゾン》は、事前に郵便局の窓口で「特定保留」という手続きをした通常貯金残高の範囲内で、クレジットカードと同様の決済や、海外での引き出しをすることができました。この保留という作業こそ、ブランドプリペイドカードのチャージに相当するものです。mijicaでは、チャージを行う場所が郵便局の窓口ではなく、ゆうちょダイレクト(インターネットバンキング)やスマートフォン用アプリ、郵便局に設けられたゆうちょ銀行のATMに変わりますが、システム開発者のクレディセゾンにしてみれば、ゆうちょチェックカード《セゾン》の入金作業を局員ではなく、利用者自らの手で行うように改めたという訳で、まさにゆうちょチェックカード《セゾン》の再来と言えるのです。

一方で、ゆうちょチェックカード《セゾン》になかったのが、mijica利用者同士の送金サービス『おくってmijica』です。当時は、郵便局で行う送金サービスは紙の為替証書を発行して行う郵便為替か、民間商業銀行の当座預金に近い性質の『郵便振替』がメインで、利用者同士の少額の送金は新総合通帳『ぱ・る・る』に郵便振替口座をセットして、電信振替扱いで送金していました。これをスマートフォンアプリ上からの簡易な操作で行えるようにしたサービスです。

逆に、ゆうちょチェックカード《セゾン》では、決済額が特定保留残高を超えた場合、超えた分はクレジットカードと同様の1回払いとなり、月末締翌々月4日引き落としで処理されていましたが、mijicaは一般的なブランドプリペイドカードと同じく、チャージした残高を上回る利用はできないようになっています。

mijicaの申し込みは、中学1年生以上でゆうちょ銀行に口座を持っている方なら、どなたでもできます。海外での利用もできるので、事前にチャージすれば通常貯金残高を海外で下ろすことも可能。海外では使えないゆうちょキャッシュカードと合わせて持つべき1枚です。

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