2017年2月8日水曜日

新生銀行の住所変更には「戸籍の附票」が必要!!

犯罪収益移転防止法(2007=平成19年法律22号)の改正により、日本では銀行口座を開設する時の本人確認が非常に厳重になっていますが、それだけではありません。住所の変更であってもかなり厳しい手続きを要求しているところがあります。

新生銀行(東京都中央区、東証1部上場)は、1998年(平成10年)に破綻する前の旧日本長期信用銀行の時代から金融債を扱ってきた関係で、普通銀行転換後の現在でも住所変更は他行と比べて手間がかかります。

総合口座『Powerflex(パワーフレックス)』だけを利用していればネットバンキング『パワーダイレクト』だけで手続きが完了しますが、預金だけでなく投信や現物株売買取次、旧長銀時代からの金融債取引(『リッチョーワイド』)などがあると、郵送での手続きになってしまいます。

キャッシュカード、パワーダイレクトの取引に使う『セキュリティカード』の再発行が同時に行われる場合も郵送手続きが一部必要になります。また、新生銀行の場合フィナンシャルセンター(支店)での来店手続きと郵送での手続きは一部異なっており、店頭で手続きをしようにもできずにパワーコール(テレフォンバンキング)へ電話するように指示され、郵送手続きを求められることすらあります。

犯罪収益移転防止法ができる前でも、住所変更には新住所において公共料金の請求書が本人名義で届いている必要があると規定していました。また、『新生お取引レポート』(ステートメント)が宛先不明で戻ってくると、翌日からキャッシュカードでの出金がストップになってしまいます(前記事「長期パッカーが背負うカード停止のリスク」参照)

現在は手続きがさらに厳しくなり、住所変更届が受け付けられたれた後、確認のハガキを旧住所に転送不要扱いで郵送し、それが銀行側に戻されてきた時点で手続きが完了するといいます。万が一、ハガキが受け取られてしまうと、新旧両方の住所を証明できる公的書類が必要になります。

運転免許証の裏面か、マイナンバーカード(個人番号カード、他国のIDカードに相当)の表面に新住所の記載があればいいですが、それが用意できない場合に両方の住所を証明できるのは、戸籍の附票住民票の除票です。住民票の除票は転出後5年間に限って発行できることになっていて(住民基本台帳法施行令34条)、なおかつ旧住所は直前に住民票があった1ヶ所しか載らないため、転居手続きを怠ったままさらに他の場所へ転居した場合や、転居の前後から5年以上休眠状態になっていた口座を再開させるときなどは、戸籍の附票を取らなければなりません

戸籍の附票は、本籍地の基礎自治体役所に申請します。下宿中の大学生や、地方から上京した独身社会人など現住地と本籍地が離れている場合は、郵送で申請します。その際に本人確認書類を要求されますが、マイナンバーカードであれば表だけの片面コピーで済むものの、自動車運転免許証は表裏両面のコピーが必要です。

なお、新生パワーフレックスを利用できるのは日本に住民登録のある個人に限られます。外国送金等調書法(1997=平成9年法律110号)改正で海外との送金取引にマイナンバー(個人番号)が必要になったため、および旧長銀以来の債券総合口座がパワーフレックスに一本化されることの2つの理由により、昨年8月の規定改正で明文化されたものです。従来海外へ転居する場合は、日本国内での手続きを頼める代理人を立てることで口座は維持できましたが、今後は住民票を抜いた時点でパワーコールに連絡し、パワーフレックス自体を解約しなければならなくなりました(パワーフレックス共通規定1-(2))