2018年1月1日月曜日

「東京のパワースポット」高尾山頂が大混雑

日本では2010年頃から、自然や大地のエネルギーを感じられる「パワースポット」と呼ばれる場所を巡る「聖地巡礼」がブーム化しており、元々あった初詣や初日の出参りの文化と結びついて、さらに人気を増しています。

高尾山(東京都八王子市)は、中腹にある修験道の本山・薬王院が古くから初詣客の全国トップ10に入るなど人気があり、山頂まで登って初日の出を拝む初詣客も多数います。董事長ふくちゃんはタイに渡る前の2000年頃には、毎年初詣で高尾山を訪れ初日の出まで拝んでいましたが、14年ぶりに正月を日本で迎えることになり、恒例復活とばかりに高尾山へ向かいました。ところが、一昔前と違って薬王院への参拝には目もくれず、初めから初日の出を拝むだけのために山頂を目指す初詣客が激増していました。

山頂では毎年、初日の出を信仰行事の一つとして迎える行事『迎光祭』が行われていますが、迎光祭を主催する八王子観光コンベンション協会と警視庁高尾警察署(東京都八王子市)は、山頂が狭く初日の出目当てで多くの人が殺到すれば事故の原因になるとして、初日の出直前の段階で山内に入れる人数を制限する『入山規制』を敷いています。この入山規制は、10年ほど前には午前5時を過ぎてもかかることはなかなかありませんでした。しかし、2009年に日本ミシュランタイヤ(東京都新宿区)が観光地を紹介するグリーンガイドで高尾山を最高ランクの三ツ星推奨としたことから、一気に外国人観光客が増えていきます。その分、初詣よりも初日の出だけを目指す人も増え、入山規制がかかる時間は年々早くなっていきました。

16年以降は、初日の出の4時間も前の午前3時には奥の院にある登山道のゲートが閉められ、山頂へ行けなくなってしまいます。つまり、山頂で初日の出を拝もうとするには、それ以前に奥の院を通過していなければなりません。薬王院本堂での初詣を0時台や1時台に済ませ、山頂へ上がらなければいけないのです。高幡不動駅(東京都日野市)で多摩モノレールから終夜運転の京王線に乗り継ぐ際、高幡不動尊へ寄り道でもしたら、山頂での初日の出はほぼ絶望と言ってもいいでしょう。東京都心から行くとなると、京王新宿駅を午前1時台に出る急行電車ではもう間に合いません。それこそ大晦日の23時台に出る電車で0時過ぎには高尾山口駅に到着していないと無理です。

午前3時台に入山規制となれば、山頂よりも標高の低い奥の院や薬王院本堂、ケーブル高尾山駅横の展望台などに移動することもできますが、そちらを目指して来る人もいて4時過ぎには埋まってしまいますから、最悪の場合は入山規制がかかった時点で下山して他のスポットを考えなければなりません。山頂を経由して奥高尾縦走路の他の山に行くこともできなくなるので、もし奥高尾の他の山を代替とするなら高尾山を諦めて、大晦日の夜からそちらを目指す必要があります。

極端な話、元日の初日の出にこだわらず1月2日早朝のご来光鑑賞へ切り替えることを推奨する個人サイトもあります。ケーブルカーは2日と3日も午前5時から運行するため、迎光祭のような行事は行われませんがその分人もほとんどおらず、逆に日の出直前に山頂へ着けばよくなると言うのです。しかし、この場合は京王線が終夜運転していないため、高尾山口駅まで車で行くか元日の夜にJR中央線高尾駅周辺へ宿泊していなければなりません。